中性子星のミニチュア、ハイパー原子核を地上で研究する
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東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻の原子核実験グループ(Nuclear Experiment: NEX)のページにようこそ。
中村研究室では、大強度電子加速器施設において、ストレンジクォークを含む量子多体系であるハイパー原子核の研究を推進することでバリオン間相互作用(拡張された核力)の理解を深め、重い中性子星の謎(ハイペロンパズル)に挑戦しています。主な研究拠点は1)米国ジェファーソン研究所(JLab)、2)ドイツマインツ大学(MAMI)、3)東北大学電子光理学研究センター(ELPH)というストレンジクォークを作ることができる高エネルギーの大強度電子加速器施設です。これらに加えて、4)東海の大強度陽子加速器施設J-PARCにおいてS-2S磁気スペクトロメータを用いたハイパー原子核研究や、次世代プロジェクトとして準備が進んでいる高分解能高強度ビームライン(HIHR)における次世代のπ中間子ビームを用いたハイパー核実験を推進しています。
鈴木研究室では、「核子(陽子・中性子)多体系の量子物理」を切り口に、ミクロな原子核の量子構造・ダイナミクスからマクロな核物質・天体現象まで、物質階層を縦断して現れる核物理の様々な問題に挑戦しています。通常の陽子・中性子数比や核密度から逸脱した原子核や核物質の理解を深めることが本質的な課題です。核子多体系の極限状態を短時間ながらわずかに、あるいは疑似的に地上に作り出す仕掛けとして、超短寿命な原子核(RI = Radioactive Isotope)を主たる実験対象としています。主な研究拠点は理化学研究所仁科センターRIビームファクトリー(RIBF)という大型加速器施設です。RIBFは仁科芳雄博士によるサイクロトロン1号機の流れをくむ世界最高強度の重イオン加速器施設であり、人類が発見した3000以上のRIのほとんどを自在に作り、高速ビームとして供給することが可能です。一方、国外の同様の施設であるフランスGANILやカナダTRIUMFなどでも研究を展開しています。また、中長期計画として進行中のRIBF高度化プロジェクトにおける実験研究を推進しています。
News
2024年12月1日
新たに鈴木大介准教授が着任しました。
2024年10月21日
小山俊平さん(櫻井研出身・現 理化学研究所仁科センター 基礎特別研究員)が第19回(2025年)日本物理学会実験核物理領域:若手奨励賞(第31回 原子核談話会新人賞)を受賞しました。同賞は実験核物理分野で優れた研究を中心的に行い、世界的にインパクトのある論文を公表した将来性ある若手研究者を顕彰するものです。
2024年10月29日
石毛達大さん(東北大D1)が第79回日本物理学会年次大会学生優秀発表賞(実験核領域)を受賞しました。
2024年10月16日
西幸太郎さん(中村研M2)が第79回日本物理学会年次大会学生優秀発表賞(ビーム物理領域)を受賞しました。
2024年7月1日
東京大学理学系研究科にフェムトメートルスケールの量子多体系を研究する新しい研究組織「クォーク・核物理研究機構」が設立されました。
2024年7月1日
東京大学理学系研究科Webマガジン「リガクル」に中村研究室の記事が掲載されました。
2024年5月25日
15:30-17:30に大学院ガイダンスを行いました。個別の研究室見学には対応しますので、contactを参照してください。
2024年5月16日
東京大学理学系研究科にフェムトメートルスケールの量子多体系を研究する新しい研究組織「クォーク・核物理研究機構」が設立されることが決まりました(2024年7月1日に設立予定)。
2024年3月-5月
ドイツマインツ大学MAMIにおいて、三重水素ラムダハイパー核精密分光実験のための磁気スぺクトロメータ較正実験、アンジュレータを用いた電子ビーム精密測定実験を実施しました。木野さん(東北大D2)、西さん(M2)が現地に長期滞在しそれぞれの実験を主導し、西田さん(M2)、石毛さん(東北大D1)、永尾助教も現地で実験を遂行しました。
2024年5月13-17日
中村教授が組織委員を務めたStrange hadrons as a Precision for strongly InteraCting systEms (SPICE)がイタリアトレントで開催され、永尾助教、木野さん(東北大D2)が招待講演を行いました。
2024年3月18日
日本物理学会2024年春季大会(オンライン)において、永尾助教、西さん(M1)、西田さん(M1)、木野さん(東北大D1)、石毛さん(東北大M2)が講演しました。
2024年3月7日
核談創立70周年記念シンポジウム 〜原子核物理学の昨日・今日・明日〜(東工大)において中村教授が招待講演「ラムダハイパー核電磁生成分光」を行いました。
2024年2月19-21日
Fourth International Workshop on the Extension Project for the J-PARC Hadron Experimental Facility (HEF-ex 2024)(Tokai)において、中村教授、永尾助教が招待講演を行いました。
2024年2月16-17日
Workshop "Strange Strong Force and Bound System 2024" (ST2-2024, Iwaki)において、西さん(M1), 西田さん(M1)、木野さん(東北大D1)、石毛さん(東北大M2)、渡辺さん(東北大M2)が講演しました。
News (~2023)
2023年12月25日
永尾助教が本郷キャンパスにおいて高校生のための冬休み講座において「強い力が支える世界~加速器で探る原子核~」を講義しました。
2023年12月11日-15日
中村教授が校長を務める International School for Strangeness Nuclear Physics 2023 (SNP School 2023)が仙台で開催されました。木野さん(東北大D1)、渡辺さん(東北大M2)、石毛さん(東北大M2)、西さん(M1), 西田さん(M1)が参加、各自の研究をYoung Researchers' Sessionで発表し、木野さんがANPhA Silver Prize & Incentive Prizeを受賞しました。
2023年11月26日-12月1日
2023 Joint Fall Meeting of APS, JPS DNP (HAWAII2023 第六回日米物理学会合同核物理分科会)を米国ハワイ島において中村教授とB.Balantekin教授が共同座長として開催しました。Hawaii2023では中村教授が指導する木野さん(東北大D1)が招待講演、奥山さん(東北大D3)、渡辺さん(東北大M2)、石毛さん(東北大M2)、西さん(M1), 西田さん(M1)が口頭発表を行いました。
2023年10月28日
新学術領域研究「宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。」領域研究会 (和光)において中村教授、永尾教授が講演を行いました。
2023年8月22日
石毛さん(東北大学、指導教員 中村)と西田さん(中村研究室M1)が「2023年度 原子核三者若手夏の学校」において優秀発表賞を受賞しました。
2023年8月5日
西さん(M1)が「第六回粒子物理コンピューティングサマースクール」において優秀賞を受賞しました。
2023年8月2日
永尾助教が東北大学電子光理学研究センターにてセミナー講演をおこないました。
2023年7月15日
中村教授が中高生を対象に荒川区自然科学フォーラム特別講義「我々の周りの物質はいつ、どうやって出来たのだろうか」を行いました。
2023年7月6, 7日
東北大学電子光理学研究センター(ELPH)にて加速器実験(MPPC用TOT-ASIC回路の性能評価)を行いました。特別実験Ⅰの4年生2名も実験に参加しました。
2023年6月30日
永尾助教が米国・JLabの Hall A/C Summer Meeting にて講演を行いました。
2023年6月8日
永尾助教がイタリア・ジェノバで開催された国際会議 HADRON2023 において招待講演をおこないました。
2023年6月7日
中村教授がイタリア・ジェノバで開催された国際会議 HADRON2023 において講演をおこないました。
2023年5月22日
木野さん(東北大学、指導教員 中村)が第13回測定器開発優秀修士論文賞を受賞しました。
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YouTube videos
2023年12月に高校生を対象に行った「高校生のための冬休み講座」のビデオです。
2021年に東北大学理学研究科が高校生を対象に行った「ぶらりがく for ハイスクール」のビデオです。中村教授が高校生を対象に現代の「錬金術師」である原子核物理研究者の話をしています。
米国のジェファーソン研究所(JLab)の紹介動画です。
理学部作成の研究室紹介ビデオです。
理学部作成の研究紹介シリーズ『研究室の扉』に、櫻井研究室OBの谷内さんが出演しました。2019年5月2日プレスリリースした 「魔法数研究に金字塔 ~ついに中性子過剰なニッケル原子核の二重魔法性に結論~」 の紹介です。
櫻井研究室が実験を行っている理化学研究所RIBFの研究紹介ビデオです。10:00頃にちょっとだけ櫻井教授が出演しています。